感想の覚え書き。

漫画の評価をするとき、一般的には巻ないしは場面ごとの評価を含むことが多いような気がする。(僕は人のレビューを読むのが好きだ。)一方で僕は巻ごとの評価はしないし、好きな作家の漫画ほど ≒作家の評価 になってしまうところがある。

娯楽としての漫画は勿論好きなんだけれど、漫画を読むときに書き手を意識しない時は無い、し、好きな作家は追いかけるのでもっと好きになって、どんどん深みに嵌まってしまう。

この人はどんな漫画を描くんだろうって既刊を全部揃えたりしだすと、だんだんその人が漫画というコンテンツの生産者から、自分がパトロンの芸術家かなんかに思えてくるっていうか。
そうなってくると微妙でも酷評しづらい。これをバネに頑張ってくれって感じ。
作者で漫画を買ってるとやっぱりそうなりやすいのかも。

結果的に話ごとの面白さにちょっと鈍感になっていく自分に気付くことがある。悪い評価を下さなくなっていくことには情もあるのかもしれないけど。漫画を描くのは死ぬほど大変だから。

また、巻ごとの評価としては、未完作品の中途の巻などに批評(特にダメ出し)をする行為が理解しがたい。
素人がわけもわからずやれ構図がどうのテンポがどうの、題材が悪いキャラが立ってないだのどーのこーのと、うるせーって感じ。絵が下手だけはまだわかるけど、その下手以下の絵も描けない素人がごちゃごちゃ言うのは見ていて好ましくない。

自分も素人だから、僕の未完作品への評価はなるべく面白いか知らないかの二択になっている、はず。
つまらなきゃ言わなきゃ良いのだ。
悪い評価をする時もなるべく抽象的な感想に抑えて、細部に言及するような「素人のしゃしゃり」はしてないつもり。

勿論弄るのと叩くのは違うと思ってるから好きなトンデモ漫画を弄ることはあるし、未完の漫画の展開を自分の中で夢想したりするのも割と好きだけど。
これってやっぱりプラスの行動であって、マイナス方向にエネルギッシュな方々の熱烈な批評には胸やけする。


イロイロ書いたけど、起点は「ファンだと公言してる人の新刊に☆3つをつける」人の頭の中がよくわかんなかっただけ。

感想なんて人それぞれだし、これが一番正しい感想なんてものは無い。細かい指摘をしたり顔で書き散らす素人の方々にも正義はあるわけだ。
あくまでスタンスの話なので特に結論は出さないでおきたい。ある意味僕の中には結論はあって、数行上あたりにすでに吐露されてはいるけど。
まあ別に書いているほどの悪感情は無いし主張を戦わせるつもりも無くて、なにより僕は人のレビューを読むのが好きなので。

書いてて思い出した。☆2とかつけながら内容は褒めてるやつ、あれが一番なんなんだろう。手でも滑ったのかな。